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事務機器の導入方法~レンタル?リース?割賦販売?~
こちらの記事では、パソコンやコピー機などのような高額な事務機器ではなく、手頃な価格で購入できる製品の「リース契約」や「レンタル契約」について解説します。
1つであれば買取(購入)でも、コスト的な負担は少ないですが、家具や備品などは従業員の人数分など多くの数を必要とすることがあり、最終的に大きな金額になってしまいます。
会社設立時や開業時にも、なるべくスムーズに導入できるように、様々な手段を検討しておきましょう。
なお、パソコン、サーバー、コピー機・複合機、レーザープリンター、ビジネスホン、ホワイトボード、プロジェクター、シュレッダーなど、高額なOA機器の導入手段については「OA機器のレンタルとリース」として、以下のページにまとめてあります。
▼関連記事:OA機器のレンタルとリース

【借りる】リースとレンタルの違いとは?
リースとレンタルは「借りる」という点では同じ意味の契約ですが、契約の中身自体は大きく異なります。代表的な違いを一つ挙げると「借りられる期間の違い」があります。
一般的に、借りたい期間が長いようであれば「リース契約」、借りたい期間が短いようであれば「レンタル契約」となっています。
その他、リース契約とレンタル契約の違いを、以下の表にまとめてみました。
これらの違いを踏まえたうえで、事務機器のリースとレンタル、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
▼OA機器におけるレンタルとリースの違い
リース契約 | レンタル契約 | |
1,契約する相手 | ユーザーと「リース会社」の間で、賃貸借契約を結ぶ | ユーザーと「販売店」または「レンタル会社」の間で、賃貸借契約を結ぶ |
2,機器選択の自由度 | ユーザーが欲しい機器を自由に選ぶことが可能 | 販売店またはレンタル会社の在庫から選ばなくてはならない |
3,機器の状態 | 基本的に新品 ※稀にリースでも中古等の場合がある |
基本的に中古 ※レンタル会社の在庫から選択するため |
4,機種の所有権 | リース会社が所有権を持つ | 販売店またはレンタル会社が所有権を持つ |
5,中途解約の可否 | 原則不可 ※解約料とリース残支払で「可」の場合あり |
可能 ※ただし、解約料が必要な場合が多い |
6,ユーザーが支払う料金 | 選択した機器の価格+リース料率+カウンター料金(カウンター料金は複合機の場合に必要) | 月額レンタル料金 ※レンタル会社によっては月額レンタル料金+カウンター料金(カウンター料金は複合機の場合に必要) |
7,保守 | 別途、保守契約を締結 | レンタル会社に保守義務があるため、 ユーザーは別途の保守契約を必要としない |
8,契約期間満了後の対応 | 返還または再リース | 返還またはレンタル期間の延長 |
リース契約のメリット・デメリット
それぞれの契約におけるメリットとデメリットを見てみましょう。まずは「リース契約」のメリットとデメリットです。
機器をリース契約で導入する際のメリットは、一般的に以下の4点です。
▼機器をリースした場合のメリット
- ユーザーは、様々なメーカーや機種から導入したいものを自由に選定することが可能
- 保険が適用される(火災・落雷・盗難など)
- 契約期間は比較的長めに設定できる
- リース料は「経費処理」できる
次に、機器をリース契約した際のデメリットについてお伝えします。デメリットは以下の3点です。
▼機器をリースした場合のデメリット
- 中途解約は原則不可(契約期間が長い)である
- リース前の「審査」が通らないと契約ができない
- 機器本体の代金に、リース料率が掛かる(総額が高くなる)(※以下に参考値)
上記のように、リースのデメリットは3つありますが、なかでも、起業・開業したばかりの会社にとって最大のデメリットとなるのは審査に通りにくい点でしょう。
設立したばかりの会社は、社会的信用度が低いとされており、審査会社の審査に通りにくいと言われています。審査に通らなければ、リース契約を結ぶことができないため、立ち上げたばかりの会社では「リース契約」は難しいことがほとんどです。
※参考値:一般的なリースの料率
- 3年(正式には3.5年)リース契約時の料率=3.1~3.2%
- 4年リース契約時の料率=2.5~2.6%
- 5年リース契約時の料率=1.9~2.0%
- 6年リース契約時の料率=1.6~1.7%
- 7年リース契約時の料率=1.3~1.4%
レンタル契約のメリット・デメリット
次に「レンタル契約」のメリットとデメリットを挙げてみます。主なメリットは以下の4点です。
▼機器をレンタルした場合のメリット
- 短期契約が可能で、万が一「事業を終了」するなどした場合も、リスクが小さい
- 導入費用が安価となる場合がおおい
- 保守契約が不要
- 審査が「不要」もしくは「簡易審査」のみ
リースのデメリットであった「審査」がない点がレンタル最大のメリットでしょう。
また、起業・開業したばかりの会社では、事業継続の見通しを行うことが難しく、万が一、事業が軌道に乗らず閉業の選択をした場合でも、レンタルは原則として「借りている期間」の費用しか発生しないため、リスクが小さいと言えます。
※リースでは「解約不可」または「莫大な出費(解約料+残リース代)」が必要です。
一方、レンタルにもデメリットは存在します。一般的にレンタルのデメリットは以下の2点とされています。
▼機器をレンタルした場合のデメリット
- 機器はレンタル会社の在庫から選ばなくてはならない。(自由に選定できない)
- 長期的に利用したり、大量の消耗品を使用すると割高になる場合がある
レンタル会社のラインアップ(在庫)から、導入したい機器を選ぶことになるため、自由に選択することができません。また、コピー機やプリンターなどのOA機器の場合、トナーなどの消耗品を大量に使用すると、想定より割高になるケースもあります。
【リース・レンタル】事務機器はどこで借りられるのか?
事務機器や事務用品(またはオフィス家具等)を、リースやレンタルで導入する場合は、事務機器・OA機器を扱う販売店に依頼すると良いでしょう。
多くの販売店が、パソコンやコピー機などのOA機器から、デスクやソファなどのオフィス家具、さらには細かい事務用品まで、幅広い製品を取り扱っています。
なかでも全国対応の大手販売店では、オフィスに必要な機器や事務用品を一括でリースあるいはレンタルで提案してくれます。
また、リース or レンタルのそれぞれの導入方法を比較できる提案してくれるなど、ユーザーごとに最適な方法を教えてくれます。
ただし、提案方法や取り扱い機器の種類、対応の丁寧さ等については、販売店によって大きく異なります。そのため、「複数の販売店から相見積もり」を必ず取得しましょう。
相見積もりを取得した方が良い理由は、2つあります。
- 相見積を取得することで提案された機器のスペック・価格、販売店の対応などを比較できる
- 事務処理の手間や工数を削減できる
相見積もりによって、1つの販売店に全てを依頼できれば、導入する製品によって契約先を分ける必要がなく、問い合わせ窓口や支払先を一本化することができます。
これによって、経費処理も簡単になり、業務効率の向上に繋がります。
【買う】割賦販売とは?
リース契約やレンタル契約に似ている導入方法として「割賦(かっぷ)販売」と呼ばれる契約があります。
難しい契約なのか?と思われがちですが、慣れ親しんだ言葉に言い換えると「分割払い」です。
割賦販売とは、通常、ある物件を契約期間(通常5年以内)に合わせて「分割払い」で販売し、契約終了後(払い済み後)には、物件をユーザーの資産として譲渡します。また、物件自体の所有権も、代金が完済されるまでは「留保」となるものの、完済後にはユーザーに移ります。
このように、リースやレンタルと似ている契約ですが、中身自体は全く異なる契約です。
【支払い】支払いは法人カードがおすすめ
契約先を一本化するだけでなく、支払方法をまとめることで、さらに、業務効率を上げられます。
会社に機器を導入する場合、「リース契約」であれ「レンタル契約」であれ、いずれの場合においても月々の支払額はある程度は確定され、大きく変動することはありません。そのため、支払方法として「法人カード(法人用クレジットカード)」を利用しても良いでしょう。
法人カードであれば、自動決済で支払いを済ますことができ、支払履歴を明細書として把握することができます。煩雑な経理処理に追われることもなく、事務作業の効率アップにもつながる他、支払額に応じてポイントが付与されるため、実質的な負担金額は多少安くなるなどの特典を得られます。
▼法人クレジットカードの比較サイト「戦国法人カード」
出典:戦国法人カードサイト
ただし、会社設立直後は法人クレジットカードの審査に通らないこともあります。比較的、審査が通りやすいことで知られている法人カードは、NTTファイナンスBizカードです。
レギュラーカードは年会費無料、ポイント還元率1%、WEB明細編集サービスなど、コストを掛けずにビジネスをサポートしてくれるカードです。
その他の特典・サービスなどは以下のページでご確認下さい。

まとめ
本記事では、契約前に知っておきたい「レンタル契約」と「リース契約」、さらに「割賦販売」の違いについて説明しました。まとめると以下の通りです。
- レンタルとリースでは、契約形態が異なる
- レンタルとリースの大きな違いの一つは「期間」
- リースのメリットは、機器を自由に選べる点やリース料を経費処理できる点
- リースのデメリットは、中途解約が不可である点や審査が必要な点
- レンタルのメリットは、審査がなく、低リスクで導入できること
- レンタルのデメリットは、基本的に中古から選ばなくてはならず、長期利用だとに高額になる点
- 割賦販売は、いわゆる「分割払い」のことで、リースやレンタルとは似て非なるもの
- 創業から時間が経っている企業では、リース契約が主流
- 開業・起業したばかりのスタートアップ企業では、レンタルで契約した方が安全
- レンタルあるいはリースで導入する場合、複数の販売店に相見積もりを取得することが大切
- 契約先を一社にまとめることで、窓口を一本化できる
- 企業の支払いを法人カードにすることで、支払いの簡略化やポイント付与などの恩恵を受けられる
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