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会社設立・起業の際に必要なオフィス備品と消耗品
会社を新規で設立する場合、あるいは独立して起業をする場合、準備しなくてはならないモノ・やらなくてはならないコトが多く、何から行えば良いか?と迷うこともあるでしょう。
また、開業の準備で忙しく、何が必要か?をじっくりと考える余裕もありません。
こちらの記事では、開業【前】に最低限準備しておきたいモノ、開業【後】に揃えると便利なモノなどをピックアップしてお伝えしていきます。
オフィスを準備する際の参考としてご確認ください。
会社の設立・起業【前に】準備しておくべき必要なモノ・コト
開業前に最低限準備しておいた方がよいものを、6つの項目に分けて一覧化しました。
以下の6項目は、開業前に必要なものや事前にあると便利なものを優先順位で記載しています。オフィス開業時の参考としてご利用ください。
▼オフィスに必要なもの一覧
優先順位 | 項目 | 詳細 |
---|---|---|
1 | 看板・社員証・名刺・封筒 | (1)企業ロゴ (2)社員証 (3)名刺 (4)ロゴ入り封筒 など |
2 | 印鑑 | (1)法人印鑑(会社実印、法人銀行印、角印) (2)認印 (3)ゴム印 |
3 | 各種書類 | (1)契約書 (2)見積書 (3)納品書 (4)請求書 (5)領収書 |
4 | 通信環境・OA機器 | (1)インターネットプロバイダー契約 (2)業務用パソコン (3)固定電話 (4)コピー機(複合機) (5)受付用内線電話 (6)プロジェクター(またはモニター) など |
5 | 大型オフィス家具 (オフィスインテリア) |
(1)個人用デスク(チェア) (2)ホワイトボード (3)書類用本棚(書庫) (4)来客用テーブル&ソファ (5)鍵付きラック・金庫 など |
6 | オフィス家電 | (1)体温検知器 (2)エアコン (3)空気清浄機 (4)加湿器 (5)掃除機 (6)冷蔵庫 (7)電子レンジ (8)電気ポッド (9)シュレッダー |
看板・社員証・名刺・封筒
企業ロゴなどは、あらかじめ作成しておきましょう。
費用を抑えるために、自分自身で作成しても良いですが、クオリティを重視する場合はクラウドソーシングなどのサービスを利用し、デザインのコンペを行ったり、オーダーメイドで作成する方法もおすすめです。
企業ロゴが確定した後は、ロゴを用いた看板や社員証、名刺などを作成すると、スムーズな工程で準備が整います。
印鑑
法務局への商業登録に必要な会社実印(代表者印)や、法人銀行印、角印(社印)などの『会社印3点セット』は必ず準備しましょう。
また、郵便物の受け取りの際に必要な認印なども準備していると便利です。その他、事務処理やパンフレットへの押印時に便利なゴム印なども、必要に応じて作成しておきましょう。
伝票・各種書類
開業前から準備しておくべき書類として、契約書や見積書が挙げられます。
その他、納品書や領収書も併せて準備しておくと、開業後の忙しい時期に手間取る心配がありません。これらはエクセルなどの表計算ソフトでも作成可能ですが、最近ではオンラインサービスも人気です。
※労働者が10名以上となるような比較的大きな開業の場合は、労働基準法によって『就業規則』の作成及び行政所管への届け出が義務づけられています。これらは社労士などに相談しながら作成しましょう。
労働基準法 第九章 就業規則
(作成及び届出の義務)
第八十九条 常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。(以下略)
引用:e-GOV(法令検索)『労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)』より
通信環境・OA機器
オフィスの要(かなめ)ともなる「インターネット環境」は、プロバイダーの選定なども含めて重要な項目です。
インターネット契約に固定電話を含めることで月額料金が変わるため、料金プランなども十分に検討する必要があります。
インターネットが開通した後は、事務用OA機器であるパソコンやコピー機(プリンターやFAX)、固定電話をインターネット回線に接続して使用できるように準備しましょう。
その他、社内での会議やクライアントへの資料説明などには、プロジェクターや液晶モニターを用いる場合があります。これらも予め準備しておくと良いでしょう。
※オフィスの開業形態にもよりますが、テナントなどフロアの一部をオフィスとして借りる場合は、インターホンが無い場合もあります。そのような場合は、事前に受付用の内線電話を準備しておくと便利です。
大型オフィス家具(オフィスインテリア)
業務用のデスクとチェア、さらに事業規模によっては従業員の行動予定や案件(タスク)のスケジュール状況などを書き込めるホワイトボードを準備しておくと良いでしょう。
来客のあるオフィスでは、来客用のテーブルやソファなども準備しておく必要があります。その他、重要書類などを保管しておく鍵付きのラックや金庫などがあると便利でしょう。
オフィス家電
エアコンをはじめとする「オフィス環境を快適にするための設備」は準備しておきましょう。
また、昨今の新型コロナウイルス流行を機に、体温計(体温検知器)を出入り口に設置する企業やオフィスも増えています。こちらも必要に応じて準備しましょう。
会社の設立・起業【後に】準備すると便利なモノ・コト
こちらでは、開業後に準備しても間に合う備品などをメインにご紹介します。まずは、一覧をご覧ください。
▼オフィスにあると便利なモノ一覧
優先順位 | 項目 | 詳細 |
---|---|---|
1 | 小型オフィス家具 (オフィスインテリア) |
(1)ブラインド・カーテン (2)パーテーション(間仕切り・動線確保用) (3)ハンガー・ハンガーラック・コートハンガー (4)壁掛け時計 (5)ゴミ箱 (6)観葉植物 など |
2 | 消耗品:事務用品 | (1)クリアファイル・フォルダー (2)クリップ・セロハンテープ・のり・ホチキス・パンチ (3)筆記用具(ボールペン・マーカー・修正ペンなど) (4)コピー用紙・ノート・ふせん (5)製本テープ(契約書・製本用) (6)朱肉・スタンプ台 (7)ラベルプリンター(『テプラ』など) (8)タイムカード (9)ラミネーター (10)コピー機やプリンターのインク(トナー)など |
3 | 消耗品:生活用品 | (1)トイレットペーパー (2)ペーパータオル (3)ティッシュペーパー (4)電池(単一、単三、単四電池) (5)ハンドソープ・消毒液 (6)食器用洗剤・スポンジ (7)清掃用品(ゴミ袋、粘着カーペットクリーナー) (8)一般常備薬 など |
4 | 防災グッズ | (1)緊急避難用品一式(リュックタイプ)✕従業員分 (2)飲料水などの備蓄✕従業員✕3日分 |
5 | その他 | (1)来客用ティーカップセット (2)オフィス用コーヒーマシン |
小型のオフィス家具(オフィスインテリア)
オフィスのインテリアは、オフィスの雰囲気や事業内容に合ったものを選ぶことが大切です。
オフィスによっては、自社のコーポレートカラーと同じカラーで選んだり、同一のインテリアメーカーで揃えたりしながら、統一感や落ち着いた雰囲気を演出するなどの工夫をしています。
また、オフィス家具一つで社内の雰囲気が大きく変わるため、迷った場合はオフィスインテリアなどの展示会(オフィス家具展示会)や、オフィス家具メーカーのショールームなどで製品をチェックすると良いでしょう。
オフィスメーカーによっては、家具だけではなく、オフィス内の内装から設計してくれる企業もあり、予算の状況などを加味しながら相談する方法もおすすめです。
消耗品:事務用品
事務用途の消耗品は、事業を行う上で必要なモノや、あると便利なものを、上記の表で一覧化しました。必要に応じて、増やしたり減らしたりしても問題ありません。
消耗品:生活用品
一般家庭と同じく、オフィスにも日用品を一式そろえておくと便利です。特に清掃道具などは、最低限のものを準備しておきましょう。
防災グッズ
2011年に発生した東日本大震災の教訓を踏まえ、東京都では『東京都帰宅困難者対策条例』が施行されています。
東日本大震災発生時に、交通機関や社会インフラが停止したため、この条例では企業側がむやみな人員の移動を制限するように要請しており、企業側には防災備蓄などを含めた災害対策の実施が義務づけられています。
防災グッズは、リュックサックなどにまとめられたものを従業員の数だけ準備することが望ましいですが、個々に準備しても問題ありません。
なお、防災グッズとして必要なものは一般的には以下とされています。有事の際に役立つため、東京都以外の方も押さえておくと安心です。
▼『防災グッズ』の中身
- 備蓄水
- 備蓄食料(アルファ化米、クラッカー、乾パン、カップ麺など)
- ブランケット毛布や携帯カイロ
- 電池やバッテリー
- 生理用品
- 簡易トイレ
- 防災用ラジオ(充電式が良い)
- 常備薬(風邪薬、解熱剤、鎮痛剤)
- 救急用品(絆創膏、傷薬、包帯)
- 衛生用品(ウェットティシュー、ボディシート、ドライシャンプー)
- 地域周辺地図(避難場所など記載があるもの)
▼企業側が準備しなくてはならない最低限の備蓄内容(※)
- 1日3L×3日分の水×社員数分
- 1日3食×3日分の食料×社員数分
- 毛布やブランケット×社員数分
※参考資料:東京都防災ホームページ『帰宅困難者対策条例の概要リーフレット』
▼その他、便利な災害備蓄品
- 防災頭巾・防災用ヘルメット
- ライター
- タコ紐
- 防災笛(救助用ホイッスル・救援ホイッスル)
その他
来客用のティーカップやコーヒーセットなどは、余裕のある時に準備しておきましょう。
また、オフィス用のレンタルコーヒーマシーン(コーヒーサーバー)などもラインナップが充実しているため、一緒に揃えても良いでしょう。
まとめ
起業や会社設立時、オフィスに揃えておかなければならない必要なモノは多くあります。
今回の記事では、設立・起業【前】【後】で、優先順位をつけながら解説しました。
特に、『就業規則』の作成及び行政所管への届け出(労働者が10名以上の場合)や防災備蓄などを含めた災害対策の実施(東京都の場合)など、義務となっているものに関しては忘れないように注意しましょう。