【ビジネス用プロジェクターの選び方】5つの導入ポイントと価格相場

【ビジネス用プロジェクターの選び方】5つの導入ポイントと価格相場

OA機器

ビジネス用プロジェクターを選ぶポイント

 

ビジネス用プロジェクター

 

プレゼンやカンファレンスなど、様々なビジネスシーンで使用される「プロジェクター」は、オフィスに欠かせないOA機器の一つです。

近年は、家庭向けの「ホームプロジェクター(映画観賞用途)」なども発売されており、一般的な機器となりつつあるプロジェクターですが、ビジネス用途と家庭用途ではどのような違いがあるのか?などは、あまり知られていません。

どちらも「映像を映す」という用途自体に大きな差はないものの、使用される空間の規模やスクリーンの大きさ、使用時の明るさなどが異なるため、スペック(性能)は全く異なります。(※)

今回の記事では、ビジネス用のプロジェクターを選ぶうえで知っておきたい基本情報や、選び方などを中心に説明します。

※一般的に、オフィスで使用されるビジネスプロジェクターは、明るめの広い空間・大きなスクリーンに投映することを想定しており「明るさ=輝度(きど)」が、家庭用プロジェクターより高い傾向にあります。

ビジネス用プロジェクター5つのポイント

ビジネス用のプロジェクターを導入・設置する際は、どの程度の規模の部屋に設置するのか?が重要です。

設置先の規模が分かることで「設置するべきスクリーンのサイズ」が分かり、対応するプロジェクターの「明るさ」なども想定できるためです。

まずは、それぞれ「スクリーンのサイズ」やプロジェクターの「明るさ」、その他にも重要なポイントについて解説します。

1、スクリーンサイズ

プロジェクターを選ぶ際に最も重要となるポイントが「スクリーンのサイズ」です。

スクリーンの大きさによって、プロジェクターに求められる「明るさ=輝度」などが変わってくるためです。

最適なスクリーンサイズを算出する方法は以下の3点です。

  • 天井の高さから算出する方法
  • 視聴距離を用いて算出する方法
  • 部屋の奥行きを用いて算出する方法

1つずつチェックしていきましょう。

「天井の高さ」から算出する方法

 

プロジェクターの選び方 天井の高さ

 

最もポピュラーな算出方法は、設置先の天井高からスクリーンサイズを求める方法です。

計算式は「天井高(mm)ー視点の高さ(=成人の座高)(mm)=xx(mm)」とし、算出された値「xx(mm)」が、設置可能なスクリーンサイズの高さ(インチ)上限となります。(※)

例えば、天井高が2,500mmの会議室にスクリーンを設置する場合、一般的な成人の座高1,200mmを引くと「1,300mm」となり、これが設置可能なスクリーンの高さの上限です。

1,300mm(130cm)に収まるスクリーンを以下の表から探すと、おおむね「80インチ」~「100インチ」程度のスクリーンまでは設置が可能であると導き出せます。

※一般的なオフィスなどでは、こちらの計算式で最適なスクリーンサイズを算出することが可能です。

▼スクリーンサイズ表:単位:cm(幅×高さ)

アスペクト比/インチ 40 60 80 100 120 140 160 180 200
4:3 80×61 122×91 163×122 203×152 244×183 285×213 325×244 366×274 406×305
16:9 89×50 133×75 177×100 221×125 266×149 310×174 354×199 398×224 443×249
16:10 86×54 129×80 172×108 215×135 258×162 302×188 345×215 388×242 431×269

出典:キヤノン

 

※一般的に、映像を見やすい高さは人の視点より上方向とされているため、計算式では視点の高さとして成人の座高を用いています。なお、起立状態=1,700mm、着席状態=1,200mmが数値の目安です。

※アスペクト比についての詳細は後述します。

「視聴距離」を用いて算出する方法

 

プロジェクターの選び方 視聴距離

 

「スクリーンから視聴位置までの距離(視聴距離)」を用いて算出することもできます。

狭い部屋などでは、スクリーンの位置が近くなりすぎないよう「視聴距離」を考慮してスクリーンサイズを算出する方法が良いでしょう。

一般的に、映像が見やすい最適な視聴距離は「スクリーンの高さの3倍」と言われています。

例えば、200㎡の会議室(横10m✕奥行20m)に、60インチ程度のスクリーを設置した場合は、奥行き17m分のスペースは、座席などを設置することが可能となります。

計算式は、60インチスクリーンの「高さ:約90cm✕3倍=約270cm(=約3m)」としています。同様の考え方で100インチのスクリーンを設置した場合は、約5mが視聴距離となるため、使用可能なスペース(奥行)は、約15mとなります。

「部屋の奥行き」を用いて算出する方法

 

プロジェクターの選び方 奥行き

 

設置する座席数や収容人数が多い場合などや、人数が変動する部屋(空間)の場合は「視聴距離」を定めにくいでしょう。その場合は「部屋の奥行き」を基準にしてスクリーンの大きさを算出することができます。

一般的には「部屋の奥行きの4分の1から5分の1の長さ」が、スクリーンの横幅の最適値と言われています。

例えば、広さが120㎡のホール・講堂(横30m✕奥行40m)の場合、最適なスクリーンの横幅は約10m~8mとなります。200インチのスクリーンサイズが約400cm(4m)であるため、余裕をもって設置することが可能です。

なお、理論的にはシネマサイズの400インチスクリーン(アスペクト比「16:9」、902✕527)が最適値となりますが、この場合、天井高は6m以上あることが条件となります。

2、解像度

映像は小さな光の点(ドット)でできており、画面上にある点の数を「横のドット数×縦のドット数」で表したものが「解像度」です。

解像度は高ければ高いほど多くの情報を表示できるため、映像の密度が高まり、精細で緻密な描画が可能になります。

【注意点】解像度は接続先の機器に依存する

解像度の高いプロジェクターを導入しても、接続するPCや映像機器の解像度が低い場合、高解像度の映像を投写することはできません。接続するPC・映像機器や投写データの解像度と、プロジェクターの解像度を一致させることで、最適な映像を投写できます。

【補足】解像度とアスペクト比

「解像度」は先に説明したとおり「横×縦」のドット(点)の個数で表記されますが、縦横の点の個数比率については、プロジェクターの機種ごとに決まっており、この比率を「アスペクト比」と呼びます。プロジェクターのアスペクト比は、主に「4:3」「16:9」「16:10」の3つの規格となっています。

 

▼アスペクト比「4:3」=ビジネス用プロジェクターとして主流

旧型のパソコン画面はアスペクト比「4:3」が多く、主にビジネス用プロジェクターで採用されています。

一般的な表記 解像度
VGA 640×480
SVGA 800×600
XGA 1024×768
SXGA 1280×1024
SXGA+ 1400×1050
UXGA 1600×1200

 

▼アスペクト比「16:9」

アスペクト比「16:9」は、テレビの映像やDVD、YouTubeなどの動画コンテンツで主流となっており、家庭用のプロジェクターなどでよく採用されているアスペクト比です。

近年は、このようなコンテンツをプレゼンで使用することもあり、ビジネス用のプロジェクターでも対応している場合があります。

一般的な表記 解像度
480p 854×480
HD 1280×720
フルHD 1920×1080
4K 3840×2160

 

▼アスペクト比「16:10」

アスペクト比「16:10」は、近年のPC画面や液晶モニターなどで使われることが多いアスペクト比です。パソコン画面のサイズが旧来の「4:3」から「16:10」に移行してきていることを背景に、プロジェクターでも同じアスペクト比に対応していることがあります。

一般的な表記 解像度
WVGA 800×480
WXGA 1280×800
WXGA+ 1440×900
WUXGA 1920×1200

3、明るさ

明るさ(輝度)を表す単位「ルーメン(lm)」は、値が高ければ高いほど明るくなります。

使用するスクリーンやスクリーンを設置している空間規模が大きくなるほど、ルーメン数値の高いプロジェクターが求められます。

また、プロジェクターの映像は部屋の照明が点灯している状態では視認性が低下するため「スクリーンの大きさ」「部屋の大きさ」「照明を落として使用するのか」の3点をベースに、プロジェクターの明るさを検討すると良いでしょう。

なお、ビジネス用のプロジェクターは「2,000ルーメン以上」が一般的な値となっています。

【注意点】移動式プロジェクターは輝度を高めに

移動式のプロジェクターを導入する場合は、あらかじめ輝度の高いプロジェクターを用意しましょう。

投影するスクリーンサイズが大きくなるほど、投影する画像は暗くなります。

通常、スクリーンサイズが2倍になると投影面積は4倍となり、明るさは4分の1になります。同様に、スクリーンサイズが3倍になると投影面積は9倍となり、明るさは9分の1になります。

4、接続端子の種類

プロジェクターと接続したいPCなどの機器に、どのような端子が搭載されているのか?を確認することも重要です。

現行の機器の多くはデジタル方式のHDMIなどを搭載していますが、古い機器と接続しなくてはならない環境では、アナログ方式の端子も確認しておいた方が良いでしょう。

以下は、現行主流となっているデジタル方式とアナログ方式の端子一覧です。

▼デジタル方式:

  • 3G-SDI端子
  • Display Port端子
  • HD Base-T端子
  • HDMI端子(現在主流の端子)
  • DVI端子

▼アナログ方式:

  • VGA端子
  • D端子
  • コンポーネント端子(赤・青・緑の3色端子)
  • S端子
  • コンポジット端子(赤・青・黄の3色端子)

5、内蔵パネル

プロジェクターは、パネル上に作られた映像をレンズで拡大し、スクリーンへ投映する仕組みになっています。そのため、パネルや投写レンズのクオリティーが映し出される画像のクオリティーに直結します。

プロジェクターに搭載されるパネルはモデルによって異なるものの、「3LCD透過型液晶パネル」「LCOS(エルコス)反射型液晶パネル」「DLPパネル」の3種類が主流となっています。

3LCD透過型液晶パネル

 

3LCDプロジェクターの構造

出典:エプソン

 

光源から射出された光を特殊なミラーに当て「赤(R)」「緑(G)」「青(B)」の3色に一度分離させます。RGBに分解された光はLCDパネルを透過し、プリズム内で再合成されることで、映像を投映させ、フルカラーの映像が作られます。

白輝度と色輝度の差がなく、カラーデータの投写に適している一方で、DLPと比べると液晶パネルの寿命が短く、構造上密閉が困難なため、エアフィルターの定期的な交換が必要となります。

LCOS反射型液晶パネル

LCD液晶方式の課題であった映像の「格子感」を抑えて、なめらかでクリアな映像投写を実現したパネルです。

細部の描画力、色味のバランス、パネルの反応速度などが高いため、ハイエンドなシネマ用プロジェクターなどに搭載されています。

DLPパネル

画像:DLP®方式

出典:リコー

 

光源から射出された光を、回転するカラーホイールを通し、時間軸でRGBの三原色に分割します。分割された光は「DLP®チップ」を反射し、レンズを通してスクリーンに投写されます。

液晶系のパネルと比べて、コントラスト比の高いクリアな画像を投映でき、機器本体も高い耐久性を持っていることが特徴です。

【環境別】最適なビジネス用プロジェクターと価格相場

会議室の規模やスクリーンの大きさなど、様々な要因で選ぶプロジェクターは変わってくるため、難しく感じる方もいるかもしれません。

これまで説明した内容の中から大切なポイントを抜粋し、設置先の環境別に大まかな使用人数、スクリーンの大きさを割り出し、対応するプロジェクターの輝度と価格相場を一覧にまとめました。

 

▼設置先環境別のスペック一覧

環境 視聴人数 スクリーン 明るさ 価格相場
大ホール 200人以上 400インチ以上 10,000lm~ 2,700,000円~
ホール・講堂 100人以上 120~400インチ 7,000~10,000lm 800,000円~2,000,000円
大会議室 50~100人 80~120インチ 5,000~7,000lm 600,000円~1,300,000円
中会議室 20~50人 60~100インチ 3,500~5,000lm 100,000円~400,000円
小会議室 10~20人 30~60インチ ~3,500lm程度 50,000円~150,000円
打ち合わせ卓 10人未満 40~60インチ ~3,500lm程度 ~50,000円

以下は、市販されているビジネスプロジェクターのうち「明るさ」別にカテゴリー分けしています。

ビジネスプロジェクターのラインアップが多いEPSON(エプソン)が、各カテゴリーでも満遍なく製品のラインアップを揃えており、ビジネスプロジェクターの市場価格を作っているメーカーとなっています(参考サイト:エプソン「ビジネスプロジェクター」製品情報)。

 

▼3,000~4,000lm:一般的なビジネスプロジェクター

  • EPSON「EB-W06」=56,000円
  • キヤノン「LV-WX370」=81,000円
  • カシオ「XJ-V110W」=103,000円
  • リコー「PJWX3351」=128,000円
  • EPSON「EB-FH52」=142,000円

 

▼4,000~5,000lm:中程度の会議室に使用可能

  • BENQ「ビジネスプロジェクター」=66,000円~144,000円
  • EPSON「EB-L400」=367,000円
  • EPSON「EB-2155」=474,000円

 

▼5,000~7,000lm:大会議室などで使用可能

  • EPSON「EB-2155」=600,000円
  • EPSON「EB-2265」=903,000円
  • EPSON「EB-PU1007」=1,320,000円

 

▼7,000lm~10,000lm:大会議室などで使用可能

  • EPSON「EB-G7900」=813,000円
  • EPSON「EB-PU2010」=1,936,000円

 

▼10000lm~:大ホールなどで使用可能

  • EPSON「EB-L1505」=2,750,000円
  • EPSON「EB-L1750」=4,400,000円

ビジネスプロジェクターの導入方法

一般的に、ビジネスプロジェクター単体を導入する場合は「購入」または「レンタル」が多くなっています。一方、テレビ会議システム(会議システム)など、システムとして導入する場合は、プロジェクターや関連機器など全てを「リース契約」で導入するケースが多くなっています。

ここでは、一般的な導入方法である「購入」と「レンタル」について説明します。

購入のメリット・デメリット

天井などに固定するタイプのプロジェクターは「購入」し、設置までを販売店やメーカーの作業員に依頼すると良いでしょう。これらの固定式プロジェクターは、家電量販店やAmazonなどのECサイトで購入することが可能です。

事務機器などを取り扱う販売店などでも購入することができるため、他のOA機器と一緒に相談すると効率的です。

購入は初期費用が高額なので、会社設立直後の場合などは、コストの負担が大きな痛手となってしまいますが、不要になれば売却できる等の利点もあります。

▼「購入」のメリット

  • 様々なメーカーの中から自社環境にあった機種・モデルが選べる
  • 中古の場合は導入費用を抑えられる
  • 売却や譲渡ができる

▼「購入」のデメリット

  • 「購入」であるため、まとまった初期費用が必要
  • 中古品の場合は、選べるメーカーやモデルは限られてしまう
  • 中古品の場合は、メーカ―保証などを受けられない場合がある

レンタルのメリット・デメリット

固定式ではなく移動式のプロジェクターの場合は、OA機器販売店などの「レンタル」サービスを利用して導入する方法も一つの手段です。

「レンタル」で導入した場合は「短期間」で借りることができ、いつでも「解約」できる点がメリットとして挙げられます。

▼「レンタル」のメリット

  • 短期間・必要な期間だけ借りることができる
  • いつでも解約ができる

▼「レンタル」のデメリット

  • 長期的なレンタルの場合、高額となる場合も
  • レンタル会社の在庫(中古品)から選ぶ必要がある
  • 最新機能を使えない場合もある

 

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まとめ

今回の記事ではビジネスプロジェクターの選び方と価格の相場について説明しました。

最後に、内容を簡単にまとめます。

  • 家庭用プロジェクターとビジネス用プロジェクターの最も大きな違いは「明るさ」
  • ビジネスプロジェクターを選ぶ際に知っておきたいポイントは以下の5つ
  • ①ビジネスプロジェクターを導入する場合は、まず「スクリーンの大きさ」を決定する
  • ②プロジェクターの「解像度・アスペクト比」は、接続するPCやAV機器などと合わせる
  • ③スクリーンの大きさに合った「明るさ」のプロジェクターを選ぶ
  • ④接続するPCやAV機器の「接続端子」の種類を確認しておく
  • ⑤プロジェクターの「パネル」の種類を確認しておく
  • 設置先の環境は、打ち合わせ卓~大ホールなど6段階で分けられる
  • 10人未満で使用するようなプロジェクターは5万円未満で購入可能
  • 大ホールなど大型スクリーンに投映するプロジェクターは1万ルーメン以上の明るさが必要となり、機器自体も数百万円と高額になる
  • ビジネスプロジェクターの導入方法は「購入」または「レンタル」が一般的
  • テレビ会議システムなど、システムとして導入する場合は付属品と合わせて「リース契約」で導入する方法が主流
  • プロジェクタ―自体は家電量販店やECサイト、OA機器を扱う販売店で購入することが可能
  • OA機器を扱う販売店から「レンタル」で導入することも可能