目次
法人携帯の人気キャリア&格安SIMを比較!
今回の記事では、法人携帯を扱う大手のキャリアや格安SIMの特徴と料金を比較します。
携帯電話のプランやサービスは驚くほど速いペースで改定されており、参考にしようとチェックしたサイトの情報が最新とは限りません。
本ページの情報は2021年7月30日時点での情報をまとめています。これから携帯電話・スマートフォンの法人契約を検討している企業担当者の方などは、この点を注意しながら参考にしてください。
法人携帯の人気キャリアを特徴と料金で比較
まずは4大キャリアの「NTT docomo(ドコモ)」「Softbank(ソフトバンク)」「au(KDDI)」「Rakuten(楽天モバイル)」の法人プランを比較してみましょう。
▼各キャリアの料金プラン比較表
キャリア | 基本料金プラン | 通話プラン |
---|---|---|
docomo | ▼5G ・5Gギガホ プレミア:4,378円~ ・5Gギガライト:2,178円~ ▼LTE Xi(クロッシィ) ・ギガホ プレミア:4,268円~ ・ギガライト:2,178円~ |
・かけ放題オプション:1,870円 ・5分通話無料オプション:770円 |
ソフトバンク | ・メリハリ無制限:6,580円~ ・ミニフィットプラン+:2,980円~ ・スマホデビュープラン:900円~ ・ケータイ通話・100MBプラン:980円~ ・データ通信専用50GBプラン:4,800円~ |
・準定額オプション+:800円 ・定額オプション+:1,800円 |
au | ▼5G(androidスマホ) ・ピタットプラン5G:2,178円~ ・使い放題MAX 5G:4,928円~ ▼4G LTE(iPhone/androidスマホ) ・ピタットプラン 4G LTE:2,178円~ ・使い放題MAX 4G:4,928円~ ▼au VoLTE(ボルテ)対応ケータイプラン ・VKプランS (N):1,210円~ |
・通話定額ライト2:800円 ・通話定額2:1,800円 など |
Rakuten | ・ベーシック:577円~ ・3.1GBプラン:990円~ ・5GBプラン:1,595円~ ・10GBプラン:2,486円~ ・20GBプラン:4,455円~ ・30GBプラン:5,995円~ |
※左記金額は 全てSMSなしのプラン ※音声通話SIMは、 左記金額に 「+798円(税込)」~ (ベーシックプランの場合) |
※2021年7月30日時点での各社情報を元に編集・掲載しています。
3大キャリアのドコモ、ソフトバンク、auの3社は「基本料金プラン」+「通話プラン」という仕組みになっています。
一方、新規参入キャリアの楽天モバイルは、プラン自体は6種類となっており、選択するSIMの種類によってデータ通信のみ、通話込みなどが分かれる方式となっています。
それでは、各キャリアの特徴と詳細について解説していきます。
docomo(NTTドコモ)
出典:docomo
NTTグループが運営する日本最大の携帯・スマートフォンキャリアです。市場シェア率は約35%で、回線品質の高さや取り扱い機種の豊富さ、料金プランの分かりやすさなどが特徴として挙げられます。
また、法人契約時の特徴として特筆すべき点は以下の3点です。
特徴1:シンプルなプラン設定
通信規格(5Gと4GLTE)での区分はあるものの、それぞれ「ギガホ プレミア」と「ギガライト」の2つのプランから選ぶだけで良く、検討時の負担が軽減されます。
なお、5Gの「ギガホ プレミア」は実質データ量無制限ですが、4GLTEの「ギガホ プレミア」は上限が60GBとなっています。
特徴2:請求に関する豊富なサービス
複数の営業所や支社などがある場合も、請求書を一つにまとめることができます。管理者視点では、費用の請求や処理がシンプルになり、業務効率がアップします。
また、ビジネス用途とプライベート用途で請求書を分割できるサービスも用意されています。
社内利用の携帯電話・スマートフォンを導入すると、管理者を悩ませる点がプライベート使用の制限でした。ドコモの「請求書分割サービス」を利用することで、ある程度のプライベート使用を制限することが可能です。
特徴3:利用料金管理サービス
「請求内訳」や「料金明細内訳」に関するデータを、docomoの法人限定サイトに集約できます。このデータを利用することで、部門ごとなどの分析・集計が可能となり、課題発見につながります。
SoftBank(ソフトバンク)
出典:Softbank
ソフトバンクグループが運営している日本3大キャリアの一角です。業界3位で約15%のシェア率を誇ります。ソフトバンクの法人携帯は、使用状況に合わせた豊富なプランとオプションが用意されている点が特徴でしょう。
特徴1:使用状況に合わせて選べる豊富なプラン
- データ通信を気にせず使える「メリハリ無制限」
- 使った分だけ支払う「ミニフィットプラン+」
- データ容量3GBの「スマホデビュープラン」
- ケータイ専用 データ容量100MBの「ケータイ100MBプラン」
- タブレットやモバイルWiFiルーター向けデータ容量50GBの「データ通信専用50GBプラン」
上記のような豊富なプランから選択することが可能です。
特徴2:オプションも豊富
「法人基本パック」など、法人向けに特化したサービスパックが用意されています。
セキュリティ管理や一斉通知などの機能を持っているため、契約台数が多く、管理規模が大きな場合に役に立ちます。
特徴3:携帯端末のレンタルサービスあり
ソフトバンクが提供する携帯端末をレンタル端末として契約する法人向けサービスです。レンタル端末のため、資産計上をする必要がなく、経理上の処理軽減が期待できます。
au(KDDI)
出典:au
業界2位のKDDIが運営するキャリアです。シェア率は約24%と、NTTに次ぐ規模の回線事業者です。auもドコモと同様にシンプルなプラン設定となっているため、コストシミュレーションにおいてはdocomoとの比較がしやすいでしょう。
なお、同社の注意点として、3回線以上の契約が必要という点が挙げられます。
特徴1:2つのシンプルなプラン
docomoと同様に、通信規格(5Gと4GLTE)での区分はあるものの、それぞれ「ピタットプラン」と「使い放題MAX」の2つのプランから選ぶだけなので、選択が簡単です。
「使い放題MAX」は、文字通りデータ量の制限はなく使用でき、「ピタットプラン」は使用した分だけ支払う方式です。
特徴2:ビジネス仕様のメールアドレスに変更可能
au携帯電話のメールアドレスを、会社名入りに変更することができます。
通常のEメールアドレス | ●●● @ au.com |
---|---|
ビジネスメールアドレス | ●●●(Eメールネーム)@◇◇◇◇(サブドメインネーム).biz.au.com |
特徴3:auオフィスナンバーが便利
auスマートフォン・au携帯電話で、東京03や大阪06などの固定電話番号を利用できるサービスです。いつでもどこでも、会社宛の電話が受けられるだけでなく、固定電話の番号での発信も可能です。
携帯電話と固定電話を、携帯電話1台に集約することができるため、月々の電話料金のコストを削減することができます。
Rakuten Mobile(楽天モバイル)
出典:Rakuten Mobile
新規参入事業者の楽天モバイルは、料金メリットが大きいことで知られています。コンシューマー向けのサービス「Rakuten UN-LIMIT」なども好評で、シェア率は4%となっています。
一方、ビジネス用の法人携帯は格安SIM販売と同様で、主に「データ使用量」と「用途」によって分けられています。
特徴1:安さを求めるならベーシックプラン
通信速度は低速(200kbps)ですが、通話やテキストのみのメール・メッセージ(LINEなど)をメインに使用している方や、低速での通信でも問題なく作動する業務アプリを利用している方にはオススメです。
データの利用量に関わらず、料金が一定である点もメリットでしょう。
▼ベーシックプランの料金一覧
SMSなし | データ通信のみ (SMSあり) |
データ通信+ 音声通話 |
525円 | 645円 | 1,250円 |
特徴2:縛り期間や解約料金はナシ
3大キャリアの「docomo」「SoftBank」「au」の3社は、2年契約による割引などがメインとなっており、実質の縛り期間を設けています。
一方、楽天モバイルは縛り期間がなく、解約料金も掛かりません。事業状況などにより解約せざるを得ない状況でも、不要な費用負担を気にすることが無い点は安心です。
特徴3:回線数やプラン内容も毎月変更可能
当初の見込みよりも使う場合・使わない場合など、状況に応じて臨機応変にプランを変更することが可能です。こちらも変更手数料などは掛からず、柔軟なサポートをしてくれます。
法人契約のできる人気格安SIMを特徴と料金で比較
格安SIMを販売しているキャリアは、「キャリアサブブランド」と「MVNO」に分けられます。
キャリアサブブランドとは、大手の3キャリアの傘下で運営されているキャリアを指し、ソフトバンク系列の「Y!mobile」、KDDI系列の「UQモバイル」などが有名です。
最近では、docomo系列の「ahamo(アハモ)」や、UQモバイルと同じくKDDI系列の「povo(ポヴォ)」、ソフトバンク系列の「SoftBank on LINE」など、新しいキャリアサブブランドが発表されています(※)。
一方の「MVNO(Mobile Virtual Network Operator)」は、仮想移動体通信事業者と呼ばれており、docomoなどの通信事業者から回線を「借りて」、通信サービス料金の安い「格安SIM」を提供している事業者です。
ここからは、法人契約が可能な人気格安SIMを扱うサブキャリア、MVNOをピックアップして紹介しています。
※2021年7月現在、「ahamo」「povo」「SoftBank on LINE」の3キャリアは法人契約不可。
まずは、各社の料金プラン一覧をご覧ください。
▼各格安SIMキャリアの料金プラン比較表
キャリア | 基本料金プラン | 通話プラン |
---|---|---|
Y!Mobile | ▼5G/4G対応 ・シンプルS(3GB):1,980円 ・シンプルM(15GB):2,980円 ・シンプルL(25GB):3,780円 |
・誰とでも定額(10分/月):700円 ・スーパー誰とでも定額:1,000円 |
UQモバイル | ・くりこしS(3GB):1,480円 ・くりこしM(15GB):2,480円 ・くりこしL(25GB):3,480円 |
・通話パック(60分/月):550円 ・かけ放題(10分/回):770円 ・かけ放題(24時間):1,870円 |
Biglobeモバイル ※MVNO |
・0GB:700円(音声通話専用) ・1GB:780円 ・3GB:1,000円 ・6GB:1,500円 ・12GB:3,200円 ・20GB:5,000円 ・30GB:7,250円 |
・かけ放題(3分/回):600円 ・かけ放題(10分/回):830円 ・通話パック(60分):600円 ・通話パック(90分):830円 |
mineo ※MVNO |
▼シングルタイプ(データ通信のみ) ・500MB:700円~ ・3GB:900円~ ・6GB:1,580円~ ・10GB:2,520円~ ・20GB:3,980円~ ・30GB:5,900円~ ▼ダブルタイプ(音声通話込み) ・500MB:1,310円~ ・3GB:1,510円~ ・6GB:2,190円~ ・10GB:3,130円~ ・20GB:4,590円~ ・30GB:6,510円~ ※上記はauプラン利用時 |
・かけ放題(5分/回):800円 ・mineoでんわ:10円/30秒 |
NifMo ※MVNO |
・基本プラン(1.1GB):640円~ ・法人シェアプラン(5GB):1,800円~ ・M2M向けプラン(200kbps):480円~ |
従量課金制 |
基本的には大手キャリア「楽天モバイル」と同様に、データ使用量に応じたSIMが用意されており、自社の使用状況に合わせて契約する流れになっています。
それぞれの格安SIMキャリアについて解説していきます。
Y!mobile(ワイモバイル)
出典:Y!mobile
ソフトバンク系列の「Y!Mobile(ワイモバイル)」は、格安SIMを扱うキャリアの中でも人気が高く、シェア率は約7%と楽天モバイルより高くなっています。
特徴1:シンプルで分かりやすい料金体系
容量別にS/M/Lと区分されているだけで、料金体系は非常に分かりやすいことが特徴です。料金を抑えたい場合は、Sプランでも良さそうですが、データ通信料を超えた場合に速度制限が掛かるので注意が必要です。
特徴2:携帯電話端末のレンタル制度あり
ソフトバンクと同様に、本体のレンタルサービスがあります。レンタル端末のため、資産計上する必要がなく、経理上の処理軽減が期待できます。また、故障時のサポートなども充実しており、交換対応なども迅速に行ってくれます。
特徴3:請求書の発行/郵送が可能
電子的な請求書だけではなく、紙での請求書発行・郵送にも対応しています。
UQモバイル(ユーキューモバイル)
出典:UQモバイル
KDDI系列の「UQモバイル」も、格安SIMを扱うキャリアの中では人気が高く、国内シェアは約3%となっています。また、ソフトバンクと同じく分かりやすい料金体系が特徴です。
特徴1:余ったデータ量を翌月に繰り越せる
UQモバイル最大の特徴は、余ったデータ量を翌月に繰り越せる点です。あまりデータを使わなかった月でも損をすることなく、翌月に使用できる点はメリットと言えるでしょう。
特徴2:UQでんき/auでんき割が適用可能
UQでんき、auでんきを利用することで、プラン料金を値引いてもらうことができます。たとえば、「くりこしS」の場合は550円引き、「くりこしL」の場合は780円引きと、割引率が高いため、オフィスの電気プランなどと同時に契約することで固定費の削減に繋がります。
特徴3:通信速度が速い
格安SIMの中では、通信速度の速さに定評があります。ちなみに、UQモバイルの平均通信速度46.2Mbps(公称値)で、他の格安SIMを圧倒しています。
出典:UQモバイル
BIGLOBEモバイル(ビッグローブ)
出典:BIGLOBEモバイル
日本の大手通信メーカーNEC発祥のビッグローブは、インターネットプロバイダでも知られています。現在は、KDDIの完全子会社となっており、通信網もau回線を使用しています。
特徴1:使用状況に合わせた細かな料金プラン
データ通信を全く行わない場合(またはWi-fi環境下での使用のみ)の超格安プランとして「0GB」などを用意しています。内線電話などの利用であれば、問題なく使用できるため、コストカットをしたい場合には、ありがたいプランとなるでしょう。
特徴2:トータルコストも安い
仮に電話専用端末として「0GB」プランを選択し、通話オプションを「24時間かけ放題」にしたとしても、月々の料金は1,530円と安く済みます。
トータルコストでも非常に安価な点が特徴です(※ただし楽天モバイルが登場してからは最安値ではなくなっています)。
特徴3:「法人格」を持たない組織・団体でも申し込みが可能
PTAや任意団体など「法人格」を持たない組織・団体でもビッグローブ側で用意している「特別審査」を受けることで、申し込みが可能です。
▼関連記事:【法人携帯の仕組み】法人契約と個人契約の違い

mineo(マイネオ)
出典:mineo
関西電力系の通信事業者ケイ・オプティコムが運営している「mineo(マイネオ)」は、格安SIMのカテゴリーではユーザー数が最も多く、人気の格安SIMキャリアです。
通信キャリアも「docomo」「SoftBank」「au」のトリプルキャリアに対応しており、評価が高くなっています。
なお、ケイ・オプティコムは、関西圏限定のインターネットプロバイダ「eo光(イオひかり)」などの人気サービスを展開していることもあって、首都圏より関西圏でのユーザーが多いことが特徴です。
特徴1:トリプルキャリア対応
既に端末を持っている場合もSIMを挿すだけで使用が可能です。トリプルキャリア対応のため「docomo」「SoftBank」「au」の端末がそのまま使用できることが特徴です。(※)
※ただし、選択するキャリアによりプラン料金が変わります。
特徴2:SIMの不正利用を防げる
私用携帯などにSIMを差し替え、社内ネットワークへ接続するなどの不正や事故につながる通信を遮断することが可能です。(※)
※事前登録が必要です。
出典:mimio
特徴3:パケットシェアが可能
繰り越した分のデータ使用量を社内でシェアすることができます。
auプラン⇔ドコモプラン⇔ソフトバンクプランなど、異なるプラン間でのパケットシェアも可能なため、社員の端末でプランに違いがあった場合でもシェアすることが可能です。
NifMo(ニフモ)
出典:NifMo
インターネットプロバイダのNifty(ニフティ)が運営する「NifMo(ニフモ)」は、docomo回線を使用した格安SIMです。
特徴1:シミュレーションで最適解を出せる
料金プラン自体は他のキャリアと比べると難解ですが、「使用用途」によってプランが分かれているため、細部までシミュレーションすると、最適なコストパフォーマンスを発揮できます。
特徴2:M2M向けプランがある
M2M(マシンtoマシン)と呼ばれるシステム用途に対応しています。プラン自体は「夜間特化」「上り特化」「下り特化」があるため、システム環境によって選べる点がポイントです。
IoT(アイオーティー)などで機器を管理している企業のシステム構築などにも使用できます。
特徴3:通話料/SMSは従量課金制
一般的な携帯電話などと同様に、通話料は従量課金制となっています。NifMoの国内通話料は20円/30秒、プレフィックス通信(NifMo 半額ダイヤル通話料)では10円/30秒となっています。
また、SMSは受信であれば無料、送信の際は1通3円~30円です。
まとめ
今回の記事では、法人携帯を扱う大手のキャリアや格安SIMの特徴と料金を比較できるように紹介しました。簡単にまとめます。
- 法人契約が可能なキャリアは複数あり、代表的なものは9サービス
- 人気は4大キャリアのdocomo、SoftBank、au、楽天モバイル
- サブキャリアとしてソフトバンク系列のY!mobileと、KDDI系列のUQモバイルも人気がある
- その他、インターネットプロバイダ系の格安SIMが数社存在する
- 4大キャリアの中では、docomoとauの料金形態がシンプルだが、やや高め
- 4大キャリアの中で安さと品質を求める場合は、楽天モバイルがおすすめ
- 格安SIM系では、UQモバイルが品質・価格ともに定評がある
- 法人格を持たないPTAなどの団体で申し込みを行いたい場合は、BIGLOBEがおすすめ
- 初期費用の削減や法人携帯を資産計上をしたくない場合は「レンタル」での導入も要検討
- ソフトバンク、Y!mobileにはレンタル制度がある
- M2Mなどシステム構築に通信網を使用したい場合は、NifMoが向いている