【会社設立の社会保険】5つの保険の種類と加入・手続きの方法は?

【会社設立の社会保険】5つの保険の種類と加入・手続きの方法は?

起業・開業まとめ

会社設立の社会保険

社会保険

 

会社を設立する際には、開業の準備や定款の作成、登記などやるべきことがたくさんあります。そのため、ついつい準備を後回しにしてしまうのが「社会保険」です。

社会保険は、株式会社や合同会社などの場合、事業所での加入が義務図けられており、たとえ従業員が社長1人であったとしても加入しなければなりません。これは「社会保険への加入は会社設立時の義務(※)」として法律で義務付けられているためです。

未加入が発覚した場合は、過去2年にさかのぼって保険料を徴収(遅滞金も必要)されたり、場合によっては罰則を受ける可能性もあります。

今回の記事では、会社設立時に加入しなくてはならない社会保険について、制度や仕組み、必要な手続きなどに焦点を当てて解説します。

※参考:法令検索e-GOV「健康保険法第三条」/「厚生年金保険法第九条

 

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会社設立スケジュール

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従業員の生活を保障する5つの社会保険

社会保険は「医療保険」をはじめとした5つの保険制度で成り立っています。

それぞれ、詳しく解説します。

1、健康保険(公的医療保険)

医療保険とは、病院で診察を受けた際の治療費や、処方箋による薬の購入費の一部を負担してくれる保険制度です。

通常、会社員の加入する「健康保険(〇〇健保など)」や公務員が加入する「共済組合」、そして自営業者などが加入できる「国民健康保険(国保)」などがあります。

会社員の加入する健康保険は、出産手当金や傷病手当金などの給付制度も付帯しており、国民健康保険よりも手厚い保障内容です。また保険料は、事業主である会社と被保険者(保険証所持者)が折半で負担することとなるため、費用の負担も少ないことが特徴です。

 

▼日本の医療保険制度

制度 被保険者(加入者) 保険者(運営者)
医療保険 健康保険 一般 健康保険の適用事業所で働く民間会社等の勤労者 全国健康保険協会、健康保険組合
法第3条第2項の規定による被保険者 健康保険の適用事業所に臨時に使用される人や季節的事業に従事する人等(一定期間を超えて使用される人を除く) 全国健康保険協会
船員保険(職務外疾病の保険給付) 船員として船舶所有者に使用される人 全国健康保険協会
共済組合・共済制度(短期給付) 国家公務員、地方公務員、私学の教職員 各種共済組合、共済制度
国民健康保険 健康保険・船員保険・共済組合等に加入している勤労者以外の一般住民(農・漁業、自営業、自由業など) 市区町村 ※平成30年4月から都道府県

出典:一般財団法人東京社会保険協会

2、介護保険

介護保険は、満40歳以上の人が加入することになる公的保険です。40歳以上65歳未満の人のうち特定の疾患で「要介護」の認定を受けた人や、65歳以上で「要介護・要支援」の認定を受けた人が利用できます。

会社員の場合は、先の健康保険料と合わせて徴収されます。

3、年金保険(公的年金)

年金保険には、基礎部分の「国民年金」とこれに上乗せして受け取れる「厚生年金」の二階建て構造になっています。将来受け取れる厚生年金保険の年金額は、現役時代の厚生年金保険料の額に応じて決まります。

なお、個人事業主は厚生年金保険へ加入することができません。

 

▼日本の年金制度

制度   被保険者 実施機関 給付事由
年金保険
 
 
 
 
 
 
厚生年金保険
 
 
 
第1号厚生年金被保険者 (民間会社等の会社員) 日本年金機構 老齢、障害、死亡
第2号厚生年金被保険者 (国家公務員共済組合の組合員) 国家公務員共済組合等
第3号厚生年金被保険者 (地方公務員共済組合の組合員) 地方公務員共済組合等
第4号厚生年金被保険者 (私立学校教職員共済制度の加入者) 日本私立学校振興・共済事業団
国民年金
 
 
第1号被保険者 (農・漁業、自営業、自由業、学生などの一般住民) 日本年金機構
第2号被保険者 (厚生年金保険の被保険者)
第3号被保険者 (第2号被保険者の被扶養配偶者)

出典:一般財団法人東京社会保険協会

4、労災保険(労働者災害補償保険)

労災保険は、従業員(労働者)が業務中や通勤途中に事故や災害に遭って、負傷や病気または死亡などした場合に保障してくれる制度です。

労働者の社会復帰を促したり、遺族への援助を行ったりします。雇用保険と同様に「事業に使用される者」が対象ですので、経営者は原則として加入することができません(一部例外あり)。

5、雇用保険

従業員(労働者)が失業し、収入がなくなった場合や働くことが困難となった場合、または失業した人が自ら職業教育訓練を受けた場合に、生活や雇用の安定、就職促進のために一定期間給付金を受け取ることができる制度です。

なお、労災保険と同様、雇用保険は雇用されている人のための保険ですので、経営者は原則として加入することができません(一部例外あり)。

社会保険加入の手続き方法

社会保険に加入するの手続き方法について解説します。

1、健康保険の加入手続き

健康保険の加入手続きは「全国健康保険協会(協会けんぽ)」または、複数社(または1社)で設立された「健康保険組合」で加入の手続きを行えます。

スタートアップの企業であっても、自社と同じ業種・業界の団体が設立している「健康保険組合」に加入できる場合もあるため「協会けんぽ」と「業界団体の健康保険組合」両社の保険料や保障内容を確認し、選択しましょう。

なお、協会けんぽで加入手続きを行う場合は、管轄の年金事務所で厚生年金保険・介護保険の手続きも同時に行え、迅速な手続きが可能です。

申請書は、日本年金機構のサイトからダウンロードが可能です。

参考:日本年金機構「健康保険・厚生年金保険新規適用届(pdf)」/「健康保険・厚生年金保険新規適用届(記入例)

2、厚生年金保険の加入手続き

厚生年金保険の加入手続きは、管轄の年金事務所に「健康保険・厚生年金保険新規適用届」を提出することで完了します。

この「新規適用届」の他に、会社の登記簿謄本の原本(提出日の90日以内に発行されたもの)の添付が必要です。また、会社の場所が登記した場所と異なる場合は、会社の賃貸借契約書のコピーや公共料金の領収書など、会社の所在地を確認できる書類も必要になります。

参考:日本年金機構「健康保険・厚生年金保険新規適用届(pdf)」/「健康保険・厚生年金保険新規適用届(記入例)

3、介護保険の加入手続き

こちらも年金事務所での手続きとなります。なお協会けんぽの場合は、年金事務所での手続きのみで「健康保険」「厚生年金保険」「介護保険」の加入手続きが完了します。

4、労災保険の加入手続き

労災保険は、従業員を雇った場合に加入が必要で、会社が所在する地域を管轄する労働基準監督署に届け出る必要があります。

また、厚生労働省ホームページから電子申請が行えるため、労働基準監督署に行けない場合などは、パソコンで申請することも可能です。

参考:厚生労働省「労働保険の電子申請

まとめ ー社会保険加入は義務!ー

会社を設立した際は、たとえ自身1人の会社であった場合も社会保険に加入しなくてはなりません。また、雇用した社員を社会保険に入れることは会社の義務となっています。必要な保障を自身と社員が受けられるよう、忘れずに加入手続きを行いましょう。

最後に、今回の記事の内容を簡単にまとめます。

  • 社会保険は株式会社や合同会社などの場合、事業所での加入が義務づけられている
  • 従業員が社長一人であったとしても加入しなければならず、法律で義務づけられている
  • 社会保険は「医療保険」「介護保険」「年金保険」「労災保険」「雇用保険」の5つ
  • 社会保険の加入手続きは「全国健康保険協会(協会けんぽ)」または業界団体によって設立されている「健康保険組合」で行える