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コミュニティビジネスのマーケティング戦略を考える

第2回 事業開始前に市場・ニーズを見極める

中小企業診断士、横浜ビジネスエキスパート 為崎 緑 氏

事例(2) 貴方のやろうとしている事は地域内で本当に必要とされている?


Bさんは、高齢化が進展する中で、これからは地域内で高齢化問題に対応していくことが必要だと考え、高齢者介護施設を運営するNPO法人(特定非営利活動法人)を設立することにしました。「デイサービス施設の1日当たり目標利用者数10人を本当に確保できるの?」と問われたBさんは、「これから急速に高齢化が進むのだから、地域の皆がそうした施設を望んでいるはずだ」と答えました。さらに、「近所に住んでいる、70代の親を持つ友達に話したら『いいわね』と言っていた」と話します。

上記のような状況で事業を開始することに問題はないでしょうか。コミュニティビジネスを始めようとする人に、なぜ事業を行うのかと問いかけると、「地域の皆が必要としている」という答えがよく返ってきます。「皆」とは、一体、どこの誰なのでしょう。また、「こんな施設があったらいいね」といった話を友達としていても、本当に施設を維持していくために必要な利用者が確保できるだけのニーズが地域に存在するのでしょうか。


「勘や思いつき」で事業を始めるのは危険です。事業開始前に市場調査が必要とされるのは、通常のビジネスと同様です。そして、対象市場を明確にし、そこにマーケティング活動を展開する、「ターゲット・マーケティング」という考えを、コミュニティビジネスでも導入していくことが望まれます。


ポイント(2)
市場を細分化し、ターゲットとする市場・ニーズを明確化する

「地域の皆」ではなく、もう一歩踏み込んで市場を見極める際に用いるのが「市場細分化」という方法です。これは一定の基準に基づいて市場をセグメント(細分市場)に分け、事業の対象を絞り込むことです。事例(2)について、具体的に考えてみることにしましょう。


図表2−1 市場細分化の例

地域における高齢者人口を調べ、これを一括りに「高齢者」として、事業対象にすることはできません。なぜなら、比率から言えば、介護保険制度の適用を受ける人の割合は、元気で自立して生活できる人に比べるとずっと少ないからです。また、どのような施設で、いかなるサービスを提供していくかを決定するには、どの介護度(要支援1・2、要介護1〜5)の人が多いかといった調査まで必要ということになります。


さらに、コミュニティビジネスにおける市場の見極めは、地域特性が深く関わってくるために非常に難しい場合が多くあります。 地域内に介護を必要とする高齢者数が多くとも、同居家族がいて、家庭内で面倒を見る風習が強いところでは、高齢者に通ってきてもらい、預かるような「デイサービス施設」に対するニーズは少ないということになります。かかる実態は、既存の統計データなどだけでは、把握しきれない部分です。


事業の立ち上げを検討する際には、本当に自身がやろうとしている事に対するニーズが地域内に存在するのかを、慎重に検証することが必要です。次回は提供する商品やサービスの価格設定について検討していくことにしましょう。

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