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コミュニティビジネスのマーケティング戦略を考える

第5回 しっかり業績管理を行う

中小企業診断士、横浜ビジネスエキスパート 為崎 緑 氏

事例(5) 目の前の対応は得意だけれど、中長期的計画がない?


Eさんは、NPO法人を設立し、孤立しがちな子育て中の母親達の「交流広場」を設置・運営しています。収入源として、会費と交流広場の利用料がありますが、子育て世代は家計に余裕がないことから、あまり高い料金を取ることができません。こうしたことから、子育てのノウハウをまとめた書籍の出版なども事業に組み入れ、家賃を捻出しています。運営スタッフに、その時の状況に応じて、無償のボランティアや、低額の有償ボランティアという形で関わってもらうことで、何とか交流広場を維持してきている状況です。

コミュニティビジネスは、「思い」を持った人達が、その「思い」を実現させるために事業を行うことから、お金が無い時には、関わる人たちが無償で労力を提供するなど、柔軟な対応ができてしまう場合が多いようです。何とか目の前の困難を乗り切る力は非常に強いと言えるでしょう。もちろん、こうした力は強みです。ただし、一方で、なぜ困難な状況に陥ったのか、困難な状況を脱しきれないのかという分析がなければ、同じ繰り返しを何度もすることになってしまいます。そこで必要とされるのが、「経営統制」です。経営統制とは、『実際の経営活動が、当初設定した経営計画の計画通りに実施されているかどうかチェックし、必要に応じて経営計画を是正することにより、計画通りの実施活動を確保する』という役割を果たすものです。少し難しい言葉になってしまいましたが、計画を立て、チェックをし、改善するというステップの繰り返しが必要ということです。具体的には、以下のような手順で進めます。


図表5 経営統制のプロセス

簡単に言うと、「やりっぱなしはいけない」ということです。上記事例でも、本来支払うべき人件費を算出し、これに家賃等を加えた経費を賄うためには、いくらの事業収入が必要かという計画を立て、四半期ごと、あるいは半期ごとに、実績と計画の差異の確認をすることが必要です。その上で、実績が下回っていれば、どのような改善策を実施すればよいかを検討しなければいけません。例えば、会員数を増やす手立てを考える、あるいは、交流広場を活用したイベントを定期的に開催し、会員以外の参加も受け入れ、イベント参加費を徴収するといった方法があるでしょう。


ポイント(5)
計画を立て、実績を測定し、差異分析をしっかりと行う

NPO法人の場合、計画を立て、年度終了後に計画と実績の比較までは行っている団体が多いと考えられます。ただし、限られたスタッフ数で事業を運営していると、目の前の事に追われてしまい、なかなか差異の分析や、是正行動の計画・実施まで手が回らないということがあるのではないでしょうか。経営統制について、内部での実施が難しい場合には、外部からのアドバイスなども有効に活用しながら、少しずつでも前に進むことを心がけたいものです。なぜなら、同じところにとどまって、いつまでも課題が解決できない状況では、真の意味での思いの達成が難しいと考えられるからです。


5回に渡ったマーケティング戦略編は今回で終了です。限られたスペースで、取り上げる項目も絞り込んだものとなりましたが、コミュニティビジネスを実践している、あるいは、これから取り組みたいと考えている皆様にご活用いただければ幸いです。

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