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人を動かす組織運営・人材育成

第5回 人材確保・人材育成のしくみづくり

中小企業診断士、社会保険労務士 仁科 亮 氏

コミュニティビジネスの創業当初は、数人の立ち上げメンバーが、役割分担し活動していくことが多いのですが、さらに効率的にもしくは広域に事業規模を拡大して活動を行い、事業目的を達成しようとしたときには、組織づくりを前提として、新しいメンバーを迎え入れていくこととなります。
このとき、営利を第一目的とする企業と違う点は、単に経済的な理由で働く人を募集するというのではないということです。コミュニティビジネスに集うメンバーは、その事業活動を通じて地域の課題を解決するという理念、志を共有できていなければなりません。メンバーを採用する際には、この点が最も重視されることであり、これから参加しようとする人の納得がなければ、どんなに有能で、望ましい経歴の持ち主であっても採用すべきではありません。
事業の内容にもよりますが、コミュニティビジネスが募るメンバーには、賃金を支払う従業員(有給職員)とボランティアがあります。本人の希望、その人にお願いする仕事の質と責任の度合、従事する時間などにより、決定することになります。
しかし、だからといって、理念・志を共有し働いていくことができるメンバーであれば誰でも良いというわけにはいきません。入社後につくことが想定される職種、勤務形態などを考慮して、人選を行わなければなりません。
例えば、事務局・事務部門(総務、財務・経理、人事などの部門)の人材か、事業部門(利用者に直接サービスを提供したり、商品を製造・販売する部門)の人材か、正規社員かパートタイマーか契約社員かなど、さまざまな状況が想定されます。
大切なことは、募集活動を行うにあたって、事前にどのような人材(人柄、能力、適性など)を採用したいのかを明らかにしておくことです。
そうすることで、採用したい人材を見つけ出すには、どのようなルートで募集をかけたらよいのか、採用試験においては、どのような点に着目すべきかなどを決めることができます。また、情実などに流された採用等を排除することもできます。


採用時には、労働契約書や労働条件通知書[PDF]を作成し、労働条件を明示することが労働基準法に定められています。採用する側、される側双方が、労働条件を確認し、後々のトラブルを未然に防ぐ意味でも、書面による労働条件明示は有効です。


書面の交付による明示事項
  1. 労働契約の期間
  2. 就業の場所・従事する業務の内容
  3. 始業・終業時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、交替制勤務をさせる場合は就業時転換に関する事項
  4. 賃金の決定、計算・支払いの方法、賃金の締切り・支払いの時期に関する事項
  5. 退職に関する事項

口頭の明示でもよい事項
  1. 昇給に関する事項
  2. 退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算・支払いの方法、支払いの時期に関する事項
  3. 臨時に支払われる賃金、賞与などに関する事項
  4. 労働者に負担させる食費、作業用品その他に関する事項
  5. 安全・衛生に関する事項
  6. 職業訓練に関する事項
  7. 災害補償、業務外の傷病扶助に関する事項
  8. 表彰、制裁に関する事項

厚生労働省ホームページ 労働条件通知書[PDF]より

これまで、人材の確保(採用)について述べてまいりましたが、次に、人材の育成に関してお話したいと思います。
コミュニティビジネスにおける人材育成では、その事業体がおこなう地域貢献活動に関する理念・方針を共有し、それに基づいて行動する人材を育成することがまず基本となってきます。そのベースとなる人材像もしくは人材育成方針を作ることが人材育成の第一歩となります。
そして実際に新しいメンバーが入ってきた時には、事業体全体の活動理念と自分が日々担当する業務とはどのような関係があるのか、そしてどのような行動に反映されるのかなどについて、実際の仕事を通じて学び、身につけていくように指導することが望まれます。具体的な方策としては、通常のビジネスと同様、最初にオリエンテーションや説明会の開催、ミーティングの実施、計画的な職場内訓練(O.J.T. On the Job Training)の導入などが考えられます。
まずオリエンテーションや説明会は、「新入社員研修」の位置づけで、事業理念と業務の内容、実務面で最低限知っておかなければならないこと、身につけておかなければならない技能、職場内のルールなどについて研修を行います。
日々のミーティングにおいては、その日の業務を振り返り、活動理念を反映した業務が行われているか、改善すべき点はないか、これから習得すべき技術、技能はないかなどについて、指導しながら話し合っていくことが重要です。
職場内訓練は、職場で仕事をしながら、上司や先輩が実務について教えていくというものですが、どうしても場当たり的な対応になり、何か問題が起こった時しか教えないとか、上司や先輩が得意なことしか教えない(教える内容が人によって違う)といった弊害が出てきます。こうした状況を打開するためには、教えるべきテーマ・内容について、一定期間スケジュールを組んで、計画的に行うことをお勧めします。人材育成においても、P(Plan計画をたてる)→D(Do実施する)→C(Check評価し反省する)→A(Action修正・改善をおこなう)という、一連のマネジメントサイクルをまわしていくことを習慣化したいものです。
専門的に技術や技能を身につけることや国家資格を取得するための知識等の習得という事柄においては、職場を離れたセミナー研修会などの職場外研修・集合研修(Off.J.T.)を活用することにより、職場内訓練にはない成果を出すことができます。メンバーが外部研修に参加した場合には、研修の内容や感想についてレポートを提出してもらい、その効果を検証することも大切です。


また、人事評価制度や目標管理制度を策定し、その内容と連動することで、メンバー個々の課題や習得すべき能力に対応した人材育成を行っていくことが可能となります。


以上見てきたように人材の育成は、一朝一夕にできるものではなく、その事業の理念・方針及び人材育成方針、それぞれの職務内容に密接に関連付けながら、計画的に行っていくことがポイントとなってきます。


人材育成の枠組み

コミュニティビジネスが、事業基盤を構築し、存在し続けるためには、地域のニーズなど経営環境に適切に対応した、組織づくり・人材育成を行っていくことが必要です。
しかし、日々の業務が忙しくなると、どうしても目先の業務に埋没してしまい、組織づくりや人材育成がおろそかになりがちです。
組織づくりや人材育成を、事業経営の主要テーマとして位置づけ、それを計画的に実践することで、各々のメンバーが地域貢献への意欲をもっていきいきと働き、サービスレベルや商品品質が向上し、利用者・お客様(地域の人々)の満足度もどんどん高まって、事業の存在意義が更に増していくという好循環を実現していくことにつながります。


5回にわたってお話してきた、組織・人材編は今回で終了です。コミュニティビジネスといっても、さまざまな事業分野と事業理念があります。皆さんの事業それぞれに適合した組織づくり、人材育成を行い、事業の発展・存続につなげていってください。

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